2018年6月末に夫が交通事故に遭い最終的には交通事故紛争処理センター(ADR)を利用しました。
事故から9ヶ月経った2019年4月、ようやく示談に至りました。
なぜこんなに示談まで時間がかかってしまったのか、交通事故紛争処理センターを利用したときのことについてお話したいと思います。
- 車を持っていて運転する人
- 交通事故を起こしたときのことを知りたい人
- 自動車保険を見直したい人
交通事故紛争処理センター体験談:交通事故の概要
交通事故は夫が通勤途中に起こりました。
通勤途中の交通事故は労災として認められるのですが、諸事情があり今回は労災として申請しないことにしました。
見通しの良い直線道路の交差点、青信号で夫が直進で通過しようとしたところ、信号無視をした車が左側から飛び出てきて、衝突してしまいました。
相手の信号無視での衝突だったので、過失割合は10:0で全面的に相手方の加害ということになりました。
こちらの車の破損は、フロント部分が大きくへこみバンパーが落ちてぶら下がるような状態になり自走不可能でした。
交通事故にあったときの自動車保険
交通事故にあった場合、自動車保険の扱いは、車の損害に対する物損事故と事故で負った怪我に対する人身事故はそれぞれ別になります。
示談金も物損事故・人身事故それぞれ分かれて支払いになります。保険会社の担当者もそれぞれ別に付く場合が多いです。
物損事故はすぐに決着
車の破損にかかわる物損事故の方は、すぐに決着しました。
しかし、どう考えてもこちらの納得のいく形ではありませんでした。
破損した車は「修理したとしても不具合が生じるかも…」と言われてしまいました。
それなのに、修理可能と判断され全損扱いにはなりませんでした。
そのためその修理可能という判断がくつがえらない限り、物損事故についての示談金は修理するのにかかった分だけの支払いになるということでした。
どんなに車の破損が大きくても、修理してとりあえず元の状態に戻れば『修理可能』と判断されます…。
「そのあと不具合が起ころうが知らんがな」というのが物損事故!
弁護士費用特約をつけていなかった!
被害にあった夫の車の自動車保険には弁護士費用特約をつけていませんでした。弁護士費用特約とは
交通事故などで弁護士に依頼したいケースになったときに、限度額までは自動車保険で負担してもらえる特約のこと
保険料の安さに注目して補償内容の確認不足でした…
今回の事故のように過失が全面的に相手方の場合、こちらで入っている自動車保険は相手に保険を支払うことがないので介入してくれません。
そんなときに弁護士費用特約をつけていれば、弁護士が間に入ってくれて示談をすすめてくれます。
我が家はその特約をつけておらず、弁護士費用は自己負担になってしまうため、物損についての不服を申し立てるのは諦めて示談しました。
人身事故が長引いた
夫は事故時に首と手首を負傷しました。
なかなか痛みや違和感が取れずに、しばらく通院することにしました。
6ヶ月間通院を続けたものの、完全に事故前の状態には戻らず症状固定となり通院が終了しました。
強くはないものの痛みがときどきあったり、違和感がある症状が残ったので後遺障害認定の申請をしました。
後遺障害が認定されると、認定級数によって示談金の基準額が変わります。
これが承認されるがどうかの判定に更に3ヶ月ほどかかると言われました。
後遺障害認定には時間がかかる!
後遺障害が認定されなかった
後遺障害認定の申請をして3ヶ月経った頃、ようやく後遺障害についての返答と示談について提示の書類が届きました。
その結果、夫本人には自覚症状が残るものの、画像診断などの所見から事故との因果関係は認められないということで、後遺障害が認定されませんでした。
この判定に不服な場合も、弁護士費用特約をつけていれば弁護士に相談することができたんです…
弁護士費用特約は本当に大切!!
交通事故紛争処理センター体験談:相談〜示談までの流れ
後遺障害認定の判定と一緒に送られてきた示談の提示に納得がいかなかったため、不服を申し立てることにしました。
夫の怪我の状態は、完全に事故前の状態に戻ってはいないものの、幸い日常生活に支障がない程度までは回復したので、後遺障害認定については今回は諦めることにしました。
納得がいかなかった示談金について争点を絞って不服を申し立てることにしました。
しかし我が家は弁護士費用特約をつけておらず、弁護士に依頼するのは自己負担となってしまうので無料で利用できる交通事故紛争処理センターに相談することにしました。
交通事故紛争処理センターは、無料で弁護士が和解あっせんを進めてくれるところです。
センター利用の手順
交通事故紛争処理センターを利用するのは次で紹介する手順でした。
面談は事故の当事者本人のみで配偶者であっても同席は許されませんでした。
そのため、夫の話を元に説明したいと思います。
①電話予約をする
まずはセンターに電話をかけて事故から示談の提示までの概要を話し、面談日時を決定しました。
②面談当日
初回の面談で、相手方から提示された示談内容を示してこちらの希望を伝えました。
次回は相手方も呼んで面談をするということで、次回面談の日時を決定しました。
③面談2回目
相手方も呼ぶということだったので、弁護士同席の上、直接交渉する形なのかと思いましたが、実際は違う待合室にそれぞれ待機し、交互に弁護士に呼ばれる形でした。
弁護士が伝言役での交渉ということでした
被害者・加害者が直接顔を合わせたらトラブルになるケースもあるからかな?
面談2回目で決着!
面談2回目の際、相手方保険会社からはこちらの希望の9割での示談を持ちかけられましたが、夫が強い姿勢で100%を主張しそれが通りました!
事故から9ヶ月、ようやく示談となりました。
あっせんが不調な場合は裁判に進むこともある
今回我が家は、交通事故紛争処理センターのあっせんにより、面談2回目で納得する提示があったため示談に応じました。
しかし、このあっせんの結果納得がいかない場合は、裁判に進むこともあるようです。
交通事故紛争処理センター体験談:事故で学んだこと
交通事故の解決にはとても時間がかかることがわかりました。
そして、交通事故の原因は自分の不注意だけではないと改めて感じました。
こちらに落ち度がないのに、突然の事故に巻き込まれ、身体の不調を抱えながら仕事もこなし、その間に自分自身で示談のために動いていた夫の疲弊は相当なものだったと思います。
記事中でも何度も言いましたが、弁護士費用特約をつけていれば夫の負担はもっと軽くなっていたはずです。
自動車保険の補償内容はしっかり確認しておくべきだと強く思いました。
車のお持ちのみなさん、いざというときに困らないよう加入している自動車保険を確認してみてくださいね。
自動車保険だけでなく、生命保険・医療保険も見直しましょう!
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
コメント
コメント一覧 (3件)
初めまして。記事拝見させて頂きました。
私も今年の3月に事故に会いました。信号の無いT字交差点で私は直進、相手は反対車線で右折待ちをしていました。
ウインカーを出して相手は止まっていたので、私はそのまま直進したのですが、突然相手が右折方向に発進して、衝突しました。
私の車は全損、修理には相当な額になるとのことで、泣く泣く廃車を決意し、買い替えとなってしまいました。長年大事に乗ってきた車だったので、新車で購入したものの、時価額で10万弱しか物損では出ませんでした。
怪我は肋骨の骨折、下顎打撲、胸部打撲、皮下血腫(顎)でした。
全治1ヶ月と診断されました。
骨折は徐々に治りましたが、下顎の痺れがとれなく、2つの病院でみてもらいましたが、恐らく下顎を強打した事による神経損傷の疑いがあるとの事でした。
後遺障害申請もしましたが、非該当でした。
示談金に納得できないので、私も紛争処理センターを利用する事にしました。(私も弁護士特約付けていませんでした…)
センターでの解決額は、保険会社が提示してきた金額よりかなり増額されましたか?
もし宜しかったら教えて下さると助かります。
突然このようなコメントをして失礼しました。m(_ _)m
無事解決されたとの事、本当に良かったですね。(*^-^*)
コメントありがとうございます。
お辛く悔しい思いをされましたね…お気持ちお察しします。
この事故のケースでは、相手方保険会社の提示額から40万円ほどアップしました。
ほぼ裁判所基準の慰謝料となりました。
こちらに過失がなかったので、強気に要求してスムーズに通った形です。
それでも損失額には及ばなかったので、本当に事故には遭いたくないと思いました。
できるかぎり納得する形で解決するように願っています。
ありがとうございました。
お返事ありがとうございます。
ご主人様、本当に大変でしたね。
加害者は保険任せに出来るのに、
なぜ被害者はこんなに色々と動かなければならないのか、
そして後遺障害は画像での確認が出来なかったり(私は神経損傷の可能性が高いと言われましたがCTでもMRIでも写らないとの事でした)日常生活に支障が無ければ非該当とは
あまりにも理不尽ですよね…
私は今回は自分に過失は無いと断言出来るのですが、車同士の事故で、10:0にはならず、
当初は8:2で言われましたが
9:1でないと認めないと主張して、
その割合になりました。
相手は高齢者で、私の車が通過する前に右折できるだろうとの明らかな判断ミスです。
相手はケガもなく、免停にはなったようですが、あとは保険会社がやってくれますもんね。
車を失い、怪我も負って本当にやり切れない思いです。
色々な弁護士事務所に電話して
依頼しても費用だおれするとの事で、
紛争処理センターを勧められ、
初めてこのセンターの存在を知りました。
私の所からでは隣の県まで行かなくてはならないので
「もう諦めていっそ示談に応じようか…」とも思いましたが、まゆてぃ様の記事を
拝見して、やはり自分が納得いくまで出来ることはやろうと決めました。
勇気をくださりありがとうございます。
来月センターの予約を取りました。
頑張ってみます。
長文で申し訳ございません。